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「就職氷河期」を描き出した画家・石田徹也。彼は聖者になれたのか。


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ー聖者の様な芸術家になりたいー。(故・石田徹也)

私がこの画家の作品に出会ったのは、18年前の事でした。本屋に並ぶ画集の絵に目を奪われその場から動けなくなったのを覚えています。。。

 

海外に住んでいるからこそ、この独特な日本の孤独感・閉塞感・疎外感を表現した彼の作品がどこか懐かしく思えてくる。。。

今回はそんな、就職氷河期を生き、表現した画家・石田徹也の作品とその魅力を紹介したいと思います。

 

▶石田徹也全作品集(彼の全てが詰まっています!)

 

▶石田徹也遺作集(亡くなった翌年に発売)

 

▶「別冊太陽」石田徹也(生誕50年を記念)

 

石田徹也:概要

概要

生まれ:1973年 6月16日

出身地:静岡県 焼津市

死去 :2005年 5月23日(31歳 没)

死没地:東京都 町田市

代表作:飛べなくなった人、SLになった人など

教育 :武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科
 
石田徹也は、静岡出身の画家。(1973年~2005年)
日本での日常生活とセルフポートレートをシュルレアリスティックに描き出す作風が高い評価を得ています。
 
絵に没頭するあまり、「深夜バイトで食いつなぎながらひたすら絵を描き続けた」と言われており、2005年5月23日に東京・町田の踏切で事故に遭い、31歳という若さで生涯を終えました。

 

石田徹也は、元焼津市議会議員の父を持ち、4人の兄弟の末っ子として生まれました。教育に関して厳しかった親に反発し、美術の道へ進んだと言われています。

 

そんな、親や大人からの圧力はその後の彼の作品に色濃く映し出されるようになっており、管理された日本の社会を風刺する「独特な描写」を生み出したといえます。

 

「燃料補給のような食事」(別冊太陽:石田徹也より)

彼の作品は、こういった無機質で表情の無い人間を描くことが多いのですが、大体が社会に疲れたような成人男性。(石田本人でないかと言われているが、本人は否定している。)

彼の作品を見ていると、

「彼は一体何を思い、世間をどんな風に捉え、どの様に感じていたのか。」

という事を考えずにはいられなくなります。

 

今や、世界中で高い評価を受ける彼の作風は、日本独特なものといっていい程に、当時の社会を痛烈に風刺している作品といえるでしょう。

 

ロストジェネレーション世代を痛烈に表現

「引き出し」(別冊太陽:石田徹也より)

彼の作品に共通するテーマとして見えるのが、「日本の現代社会が抱える闇・孤独・不安」というもの。

これは、1990年代に日本を襲った「バブル崩壊」によって株価や不動産の暴落・大量のリストラが行われたあの『失われた10年』(*ロストジェネレーション世代)と呼ばれる時期を過ごした彼の見た世界なのでしょう。

 

バブルが崩壊し、容赦ないリストラが大量に行われたこの10年は、石田にとって青年期真っ只中であり、この時期が一番彼の作風に影響を与えたのは明らかといえます。

 

※ロストジェネレーション世代

バブル崩壊後に訪れた就職氷河期と呼ばれる時代。時期的には、1990年代初頭~2000年代半ばを指します。

詳しくは、こちらの記事→就職氷河期(ロスジェネ)世代とは?【年齢・いつ生まれ?】 - カオナビ人事用語集

 

石田徹也の画集を見て/レビュー

ちょうど18年前の今頃、オーストラリアへの留学を目前に控えていた私は、母と英語の参考書を買いに本屋へ行き、そこで出会ったのがこの「石田徹也」の遺作集でした。

 

 

当時、まだ22歳だった私は、まさに読んで字の如く「目を奪われる」状態となり、次から次へと、ページをめくる手を止められませんでした。

 

箱に閉じこもる青年、ダンゴムシの中で眠る青年、牛丼屋でガソリンのように補給する青年たち、表情の無い無機質な親子、、、。

 

「なんだ、この絵。。。幼児退行を思わせる絵も多く、インナーチャイルドを描いているのか?」

 

それはまるで、統合失調症の人の頭の中を覗いているような、自己分裂ともいえるような極めて自閉的な絵に見え、恐怖にも似た感覚を覚えました。(決して彼が精神疾患を患っているという意味ではない。)

 

最終的に、踏切事故にあって31歳という若さで亡くなってしまった彼ですが、亡くなる前には「芸大生が、盗撮をしてくる」と事実ではない事に怯えていたと言います。

絵に自己反映し、社会を映し出す鏡を描くあまり、絵の世界と現実の境界線が交じり合ったのかもしれません。

 

しかし、それほどまでに没頭した彼の作品は、見るものに衝撃を与える「彼にしか表現できないもの」であり、死後20年経とうとしてもなお、世界中にファンがいるのもうなづけます。

 

 

彼の作品は、書き始めた頃から亡くなる直前までで、変化が見られます。

 

そんな変化を当時の時代背景と共に見ていくと、

「あぁ、きっとこの事件に影響を受けたんだな。」

「その時何を思い、何を表現しているのだろう」

と、より一層彼の作品を感じる事ができる事でしょう。

 

▶作品と時代背景を同時に読み解くなら、これがおススメ。

 

聖者のような芸術家に強くひかれる。

「一筆一筆置くたびに、世界が救われていく」と本気で信じたり、

「羊の顔の中に全人類の痛みを聞く」ことのできる人達のことだ。

自分は俗物だと思い知らされます。

(1999年冬 「アイデア帖」より)

 

まとめ

もっと、私が感じた魅力や衝撃を伝えたかったのですが、、、難しいですね💦

こういった芸術作品は、口で説明しても安っぽくなるばかりで作品に申し訳ないです。。

気になる!と思ったら、まず見てみる事をおススメします。素晴らしい作品です!!!