一家に一本は必ずあるでしょう、「包丁」。お気に入りを使っている方も、色々な種類の包丁を集めている方もいらっしゃることでしょう^^
初めて飲食店でお仕事をされる方も、「マイ包丁を買ってこい。」なんて言われるのが日常茶飯事です💦
ただ問題は、「包丁の研ぎ」。日本と違って、路上で研ぎのプロが研いでくれるなんて事はありません。(日本でも、最近は減ってきましたね。。)
見よう見まねで研いでも、包丁を傷めつけるだけ。。基本さえしっかり入れておけば、あとは手が覚えるので、この記事では、基本を紹介したいと思います^^
- 包丁が切れないのにイライラしている方
- これから自分で包丁を研がなくてはならない方
- 簡易シャープナーを使っている方
- 海外で、切れない包丁のメンテナンスしたい方
砥石の種類と選び方
まず、「砥石」について簡単に説明します^^
砥石には、粒度を表す「番手」というものがあり、#800や#2000といった様に表現されます。この粒度は、数字が小さいほど荒く、数字が大きいほど細かくなります。
☐荒砥石:#200~600(刃欠けの時などに使用)
☐中砥石:#800~2000(通常の研ぎで使用)
☐仕上げ砥石:#3000以上(鏡面まで綺麗に磨き上げる時に使用)
一体どの砥石を選べばいいの?と思うかもしれませんが、家庭で使用する分には、真ん中の「中砥石」のみで充分です^^ プロであれば、3種類全てを揃えておくのが◎。
また、包丁の素材によっても選ぶ砥石はかわってくるので、どんなものでも使える砥石を選びましょう^^
<料理人である私のおススメの1本はコレ👍>
使った様子は下記で紹介^^オールマイティに使えてわざわざ日本から購入するほど^^
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包丁を研ぐタイミング
料理人の中には、包丁を研ぐマニアがいまして💦、まだまだいけるのに毎日研いでいる輩もいます。。。(使い方や頻度にもよりますが、丁寧に研いで丁寧に扱えば、そんなに研ぐ頻度は、高くなくても良いです)
⚠️確かに、昔から愛されている鋼包丁は「錆びやすさ」から、毎日メンテナンスは必要です。しかし、研ぎを毎日してしまうと、どんどん小さくなっていきますのでご注意を^^
基本的には、家庭用であれば月に1~2回、プロであれば(使用状況にもよる)週1~2回程度の研ぎメンテナンスで大丈夫です^^
- トマトがスーッと切れない
- 玉ねぎを切ると汁が出て目に染みる
- ビニールがスッと切れない
- 使うと腕が疲れるようになった(力が入っている)
砥石を使った包丁の研ぎ方
なかなか、キッチンワークの長い人でも、きちんと研げないのが包丁。基本をしっかりと覚える事が大切ですね^^
ここでは、砥石を使った包丁の研ぎ方を説明していきたいと思いますが、その前に、料理人ですらもやってしまう「包丁の良くない研ぎ方」を紹介します。
こんな研ぎ方はNG
料理人の中でも、間違った研ぎ方をしている人が本当に多いです。。。(料理のプロでも、研ぎのプロではないので仕方無いと言えば、仕方がない。。)
これは、きちんと教わるチャンスがあったかどうかで、差が出る所だと思います。。
- 研ぐ箇所をきちんと押さえていない(研げていない)
- 研汁(研くそ)を洗い流している
- 歪んだ砥石を使っている
- 研ぎやすい箇所ばかり研ぐので、刃形が変わっている(鶴首など)
・まず一番見ていて多いのが、研ぎたい刃の部分を左手で押さえれていない。
包丁の先っぽを押さえて、下の方を砥石でこすっても、研げません。必ず、研ぎたい箇所の刃先を砥石と手で挟んで、研ぎましょう!
・そして、せっかく出た砥汁(研くそ)を洗い流している。
※この黒いザラザラが砥汁(研くそ)
これを出すことが重要になってきます。この砥汁が出ていないと、綺麗に研げません。洗い流すなんてもってのほか!このザラザラを使って、しっかり研ぎましょう^^
・これもかなり多い。。。歪んだ砥石を使っている。
※分かりやすい画像だったので、「老頭児おじさん奮闘記」の記事から拝借させていただきました。
研いでいると、どうしてもこういった形になってきます。そこで重要なのが「砥石の面直し」。(下記で紹介)
平べったく直す必要があるのに、めんどくさいからとこのまま研ぐ料理人もいるので驚きです💦
・そして、本当によく見るのが「鶴首包丁」
※こちらも、すごく分かりやすい画像だったので、引用させていただいてます。
上の写真の様に、砥ぎ前の方は、先っぽが鶴の首のようになっている包丁の事を「鶴首包丁」といい、料理人の間では、「恥ずかしい」とされる研ぎ方です。。
研ぎ後を見てわかる様に、本来は反りがしっかりとついた片刃包丁だったのが、間違った研ぎ方を続けると、写真の様になってしまいます。
本来、買った時の形を崩さない様に研ぎ進めるのが正解。包丁の良いバランスを崩さない様に研ぐことが大切です!
砥石で研ぐ手順
それでは、砥石で包丁を研いでみましょう^^
※お気に入りの シャプトン 刃の黒幕 #1000 中 オレンジ K0702
<ステップ①>
まず、砥石を10~15分間水に漬けます。(シャプトンは、漬けなくてもいい使用になっていますが、他の砥石はこの工程があるので、一応説明しますね)
※砥石は、吸水タイプと吸水しないタイプがあり、するタイプは予め水に漬けておく必要があります。まれに、ずっと水に漬けているのを見ますが、それはNG。
(シャプトンの様な、吸水しないタイプは、この工程は飛ばしてOKです^^ 少し水をかけながらで◎)
<ステップ②>
砥石が滑らない様に、セットします。
※この滑り止めパッド、おススメですよ^^
<ステップ③>
コイン2枚分ほどの角度を付けて、刃先を砥石に押さえつける。
※好みがあると思いますが、基本は「砥石に対して、包丁は45度の角度」で研ぎます。
刃の角度も、コイン2枚分や、3枚分と好みはありますが、あまり角度をつけすぎると、切れなくなるのでご注意を。
<ステップ④>
前後に動かして研いでいく。
※包丁の柄の付け根部分をしっかりと押さえ、反対側の手で「研ぎたい箇所」を砥石に押し付けます。
奥側に押す時に力を入れ、手前に戻す時は力を抜きましょう^^
※研いでいる時、こういった黒いザラザラが出ますが洗い流さない様に‼ この「砥汁(研くそ)」が出ていると研げている証拠です。これを使って、綺麗に研いでいきます。
<ステップ⑤>
研いだ側と反対の刃先に「かえし(かえり)」が出ているかを確認する。
※このかえし(かえり)が出ていると、きちんと研げている証拠です。逆に、ツルツルで何も感じなければ、刃がきちんと研げていないという事になります。
かえし(かえり)を刃先全体に出せたら、裏返してそのかえしを研ぎ落しましょう^^
<ステップ⑥>
天ぷら紙などを用意し、包丁の切れ味を確認する。
※分かりづらいですが、紙を持って、真っすぐ包丁を入れます。
スーッと切れたら◎。引っかかる所はまだ研ぎが足りない証拠です💦 抵抗なくスッと切れるまで、研ぎましょう。
砥石自体のメンテナンスも必要
上でも少し触れましたが、包丁のメンテナンスだけでなく、「砥石自体」のメンテナンスも必要になってきます^^(歪んだ砥石では、研げません💦)
使っているうちに、どんどん真ん中だけが窪んでくるので、砥石を購入する際は、同時に面直しも購入する事をおススメします^^
使い方は簡単👌 歪んだ砥石を面直しで円を描くようにこすり平らにするだけ^^
<料理人の薦める面直しはコチラ👇👇👇>
カナダの方はコチラ👇👇
カナダにある包丁研ぎサービス
いやいや、やっぱりプロに頼みたい!という方もいるでしょう!
日本では、すぐに見つかる砥ぎサービスも、ここカナダではなかなかありません💦 和包丁買うのも一苦労ですよね。。。
今回は、カナダに住む料理人の方には、是非行って欲しい!そんなお店を紹介します^^
👇👇👇日本から直輸入の和包丁を扱う「三徳(SANTOKU)」さん
Yaletownの一角にあるお店には、和包丁がぎっしり! 砥石はもちろんのこと、研ぎ方のセミナーもされている様なので、興味がある方は是非^^
<場所>
まとめ
きちんと研がれていない包丁を見ると「あぁ~研ぎたい!!」と思ってしまう私。職業病ですね(笑)
やってみるまでは、「難しそう」と思うかもしれませんが、基本を頭に入れておけば、意外と研げますよ^^
一度、スパッと切れる包丁を使ったら二度とギコギコには戻れません👍 ご自身の包丁、メンテナンスしてみてはいかがですか?